世界遺産音楽館

「トロイの木馬」や、夢を追い続けたアマチュア考古学者「ハインリッヒ・シューマン」の話はあまりにも有名ですね。歴史的史跡が多いトルコにおいても、ここトロイは絶大な知名度を持っています。ただ、ここを訪れる旅行者が少ないのは、イスタンブールとイズミールという大都市の中間点に位置するという地理的条件の他に、知名度は高いものの、実際の遺跡は「草の中に石が転がっているただの丘」という印象を与えかねないほど、見た目には保存状態が良くない、ということでしょうか?。しかし、その転がっている石を一つ一つ丁寧に見ていくことにより、ここがあの伝説の「トロイア戦争」の舞台だったらしいことが伝わってきます。今から5000年も前の人々の営みを垣間見られるこの遺跡は、やはり「遺跡の中の遺跡」です。

かつて大勢力を誇ったトロイアの国がギリシャとの戦いに敗れ、その後やってきたローマ人の造った住居あともすっかりと廃墟と化してしまっている今のトロイの遺跡の雰囲気を、冷たい音の重なりで表してみました。プリアモス王への鎮魂歌という気持ちも込められています。